どうも、監査法人に勤務していたgordito(ゴルディート)です。
- 監査法人には出世競争とかあまりなさそうだけど、実際はどうなの?
- 監査法人の昇格や昇進はほぼ横並びなのかな?
このような疑問を解決できる記事になっています。
なぜなら、監査法人に勤務し昇進を経験した私が、監査法人における出世競争について紹介するからです。
記事を読み終えると、意外に監査法人の出世競争は穏やかではないことが理解できます。
監査法人の人事評価制度
監査法人では『多角的な人事評価制度』が整備・運用されており、複数人(3人以上など)の上司から人事評価される仕組みになっています。
監査法人の人事評価制度に興味のある方は次の記事をご覧ください。
昇進者の選定
最初に1人1人が複数人の上司から評価されます。
次に同じ職位の中で順位づけがなされます。
監査法人で最も低い職位はスタッフです。
芸人の狩野英孝に呼ばれちゃいそうですね。
スタッフは、だいたい入社1年目から5年目の人たちが該当します。
この1年目から5年目のスタッフが同じ土俵で評価され、順位づけされることになります。
1年目のスタッフは評価がしづらいので、順位表の下位に固まっていますが、3年目から5年目ぐらいのスタッフは年次に関係なく順位が前後します。
仮に3年目のスタッフが優秀だと評価されれば、4年目のスタッフが昇進するのと同じタイミングで昇進します。
イメージがしづらいと思いますので、簡単な例を使って説明します。
こども監査法人にスタッフが12人いて、ある年の『年次(1〜5年目)』や『評価(A〜D)』が次の通りであったとします。
昇進できる人数は3人だとします。
順位 | 名前 | 年次 | 評価 |
1 | しまじろうさん | 4年目 | A |
2 | アリエルさん | 4年目 | A |
3 | ミッキーさん | 3年目 | A |
4 | プーさん | 5年目 | B |
5 | ミニーさん | 3年目 | B |
6 | ドナルドさん | 4年目 | B |
7 | ムーミンさん | 3年目 | C |
8 | みみりんさん | 2年目 | C |
9 | オラフさん | 2年目 | C |
10 | クリリンさん | 1年目 | D |
11 | バタコさん | 1年目 | D |
12 | のび太さん | 1年目 | D |
この場合、しまじろうさん、アリエルさん、ミッキーさんの3人が昇進することになります。
プーさんは5年目ですが、残念ながら評価が4番目なので昇進できず、スタッフ6年目に突入となります。
ハニーポットを手放す必要がありそうですね。
なお、基本的に修了考査に合格し、『実務補習所』を修了することも昇進の条件になっている監査法人が多いです。
そのため、仮にミッキーさんがミニーさんと遊びすぎて修了考査に落ちてしまった場合には、5年目のプーさんが昇進できることになります。
これはあくまでも例ですが、実際も似たような感じです。
3年目で昇進する人もいれば、6年目でも昇進できない人もいます。
『昇進前』と『昇進後』の給料の差は月給にして5-10万円程度になります。
一般の会社で、入社3-5年目でここまで年収に差がつくことは少ないでしょう。
監査法人の『出世競争』は外部の人が思っている以上に厳しいのです。
『昇進』は上司との『相性』が重要
スタッフの順位づけの際には、職位が上位の人たちで会議が行われます。
その会議の場では発言力が強い人の意見が通りやすくなっています。
先ほどの例で、ドナルドさんの上司がドナルドさんを、あれやこれやと理由をつけてゴリ押ししたとします。
そうすると、6位から4位へと同じB評価の中で順位が上位にスライドしたりします。
もっとすごい時は、ドナルドさんを高く評価している上司が超お偉いさんであった場合(パートナー)、その上司は評価会議にすら出ていないのに意見が反映されたりします。
結果として、ドナルドさんはB評価からA評価に変わり、3位になっちゃいます。
ドナルドさんは修了考査に無事受かれば昇進ですね。
そうなると、ミッキーさんは残念ながら昇進できません。
このように、上司との相性や監査法人内での上司の影響力が昇進するためには重要になってきます。
スタッフは基本的に監査チームを選ぶ権限がないので、どのような上司のもとで働くかは『運』ですね。
こういうのはどの組織でも同じで、ただ単にその人が優秀か否かだけでなく、様々な要因が絡んで出世競争を勝ち抜いていく人と、そうでない人がいるのでしょう。
今、ふと『半沢直樹』を思い出しました。
あそこまで陰湿な人事評価(や人事異動)はないでしょうが、実際の社会でも、いろんな思惑が絡んでいるのは事実だと思います。
不満であれば『転職』も一考
監査法人の人事評価で、監査法人の人事評価制度を紹介し、今回、『昇進者の選定』の具体例を紹介しました。
個人的にはなかなか良い人事評価制度だと考えていますが、もちろん監査法人内の全ての人が満足しているわけではありません。
あからさまな出世競争を嫌う人もいますし、何より自分自身の人事評価に不満を持っている人もいます。
実際、私の周りでも、入社後数年で『昇進する同期』と『昇進しない同期』が明確に線引きされることを良しとしていない人もいましたし、人事評価に納得いっていない人もいました。
稀ですが、使えない会計士というレッテルを貼られ、干されてしまうこともあります。
居心地が良いと感じないのであれば、転職を考えてみるのも良いかもしれません。
監査法人の人事評価で紹介した通り、組織が変われば評価される可能性もありますからね。
公認会計士の転職に関する内容(転職理由、おすすめ転職エージェント、転職活動の留意点等)を知りたい方は、次の記事をご覧になってください。
実際に私が転職活動をした時の内容を紹介しているので、転職した方やキャリアに悩んでいる方には参考になると思います。
まとめ
簡単にまとめます。
- 監査法人では、就職して3-4年目で同期と大きな給料の差(年収差100万円前後)がつく。
- 早い人は3年目で昇進するも、遅い人は6年目でも昇進できない。
- 昇進できるか否かは、関わった上司次第という側面がある。
- 『人事評価』や『出世競争』に不満であれば『転職』も視野に入れても良い。
いかがでしょうか。
監査法人の出世競争は穏やかではないことが理解できたのではないでしょうか。
はたから見ると監査法人は平和そうに見え、実際に平和な部分もありますが、『出世競争』という点においては平和ではないのが事実だと思います。
さて、出世競争において『学歴』は関係するのでしょうか。
監査法人も学歴社会なのか興味のある方は次の記事をご覧ください。
『学歴』と言えば、出身高校、出身大学ですよね。
公認会計士はどの大学出身者が多いのでしょうか。
公認会計士の大学ランキングに興味のある方には次の記事がおすすめです。
出世競争が厳しいというのは監査法人のマイナス面だと思います。
人によってはプラス面かもしれません。
その他の監査法人のマイナス面(つらいこと、嫌なこと)に興味のある方は次の記事をご覧ください。