どうも、公認会計士として監査法人に勤めていたgordito(ゴルディート)です
- 『公認会計士のデメリット』を知りたい。
このような疑問を解決できる記事になっています。
なぜなら、私は公認会計士として働いていた経験があり、実際に肌で感じた『公認会計士のデメリット』を紹介するからです。
記事を読み終えると、『公認会計士のデメリット』が分かるようになります。
公認会計士のデメリット4つ
公認会計士のデメリットを4つ紹介します。
公認会計士のデメリット1:資格取得までの道のりが長い
『公認会計士』になるまでの道のりは非常に長いです。
公認会計士試験の勉強を始めてから公認会計士になるまで5-7年ほどかかると考えた方が良いでしょう。
それだけの時間を要する理由を簡単に説明します。
『公認会計士』になるには次の3つの要件を満たす必要があります。
- 公認会計士試験の合格
- 2年間の実務経験
- 実務補習所の修了
要件1:公認会計士試験の合格
この要件を満たすまでに通常2-4年かかります。
公認会計士試験に合格する人の80-90%前後は大原、TACやCPAといった専門学校(予備校)に通うことになります。
専門学校のスタンダードなカリキュラムが1年半〜2年程度であり、1発合格でも約2年間かかります。
公認会計士試験(論文式試験)は年1回しかないので、2回、3回と受験を重ねれば、それだけ時間がかかることになります。
晴れて合格すると公認会計士協会の『準会員(4号準会員)』になることができます。
要件2:2年間の実務経験
タイトルの通り、この要件を満たすには最低2年間必要です。
実務経験には『業務補助』と『実務従事』があります。
監査法人で働く場合には『業務補助』を満たすことになります。
そのため、公認会計士試験合格後に監査法人で働く場合には特段、実務経験について意識する必要はありません。
なお、この要件はいつ満たしても大丈夫です。
つまり、公認会計士試験に合格する前に満たしても、実務補習所と同時並行で満たしても問題ありません。
最も簡単な要件と言えるでしょう。
ただし、監査法人に勤務する予定のない人は、要件を満たすか確認する必要がある点、留意が必要です。
要件3:実務補習所の修了
実務補習所を修了するには、通常3-4年かかります。
実務補習所の主な内容は次の通りです。
- 講義及び実地演習(270単位)
- 考査(10回)
- 課題研究(6回)
→修了考査(2日間12時間に及ぶ試験)
講義及び実地演習(270単位)
高校や大学の講義をイメージしてください。
3年間かけて必修科目を含め、270単位を取得する必要があります。
考査(10回)
週末に実施される小テストとイメージしてください。
ただテストを受ければ良いのではなく、得点すべき最低ラインがあります。
課題研究(6回)
レポートをイメージしてください。
会計や監査などに関するお題が出され、それについてレポートを書いて提出します。
修了考査
『講義及び実地演習』、『考査』、『課題研究』の3つを無事に通過した者のみに『修了考査』の受験資格が付与されます。
修了考査は、2日間12時間に及ぶ試験です。
公認会計士試験の『論文式試験』のような感じです。
公認会計士試験ほど合格率は低くないですが、30%以上の人が不合格になるので、それなりの勉強が必要です。
不合格になれば、1年後に再度受験することになります。
実務補習所も結構大変ですね。
修了考査をもう少し知りたい方は次の記事をご覧ください。
最後に・・・
これらの3要件を全て満たした上で、公認会計士協会に申請し、ようやく『公認会計士』になることができます。
凄まじく長い道のりですねぇ。
今振り返ると、自分で自分を褒めたくなっちゃいます。
公認会計士のデメリット2:一生勉強
『公認会計士はやめとけ』という記事で簡単に紹介しましたが、公認会計士試験の合格に必要な勉強時間は3,000-4,000時間と言われています。
アバウトですが、3年間の実務補習所(講義、考査、課題研究、修了考査)に費やす時間も500時間は超えているでしょう。
晴れて『公認会計士』になっても勉強の連続です。
各種の基準、実務指針、法令等は年々変わりますが、その度にキャッチアップする必要がありますからね。
また、業界特有の事象があるので、クライアントが属する業界を理解するための勉強も必要になります。
例えば、食品メーカー、学校法人、銀行のそれぞれの監査業務に従事する場合、追加で学ばなければならないことは山ほどあります。
『公認会計士』は立ち止まることがないと考えた方が良いです。
それがプロフェッショナルというものでしょう。
きっと、他の『士業』も同じような状況なのではないでしょうか。
公認会計士のデメリット3:お金がかかる
公認会計士になるまでの費用はざっくりと見積もって150万円前後です(公認会計士試験も修了考査も1回で合格した場合)。
内容 | 費用 |
公認会計士試験講座 (大原、TAC、CPA等) | 70-80万円 |
公認会計士試験 (受験料等) | 約3万円 |
公認会計士協会の準会員 (入会金、年会費等) | 約10万円 |
実務補習所 (入所料、補習料等) | 約27万円 |
修了考査講座 (TAC、大原等) | 約20万円 |
修了考査 (受験料等) | 約3万円 |
公認会計士協会の会員 (登録免許税、入会金、年会費等) | 約25万円 |
そして、『公認会計士』になってからは毎年10万円以上の年会費がかかります。
だいぶ大雑把に計算していますが、それなりにお金がかかりますよね。
ちなみに、多くの監査法人では準会員に関連する費用からは基本的に全て負担してくれます。
いずれにせよ、時間だけでなく、それなりのお金がかかるのは公認会計士のデメリットの1つと言えるでしょう。
公認会計士のデメリット4:知名度が低い
悲しい事実をお知らせします。
公認会計士のメリット『社会的地位が高い』で、公認会計士は『三大国家資格』の1つであると紹介しました。
しかし、周りの人から『公認会計士って何やっているの?』とよく質問されます。
『税理士とどう違うの?』という質問も多いです。
正直に言うと『税理士』の方が知名度が高く、業務内容もよく知られていると思います。
サラリーマンは年末調整だけで終わっている人が多いかもしれませんが、確定申告といえば『税理士』や『税務署』をイメージしますからね。
一方で、公認会計士の業務内容についてはほとんど知られていません。
それは、独占業務である『監査』が理解しづらく、また『個人相手』ではなく『法人相手』の業務ばかりであることなどが原因でしょう。
また、『医者』や『弁護士』と異なり、テレビ、映画や小説等の題材として使われることがあまりないのも原因の1つだと考えられます。
高視聴率を叩き出す公認会計士ドラマを制作できる敏腕ディレクターはいないものでしょうか。
10年以上前にNHKで監査を題材にしたドラマをやっていましたが、それ以降、目立った作品はないという印象です。
あまり評判が良くなかったのでしょうか・・・。
なお、だいぶ古いですが、山田真哉さんの『女子大生会計士の事件簿』という小説は監査に関するものになっていて、私は受験生時代に読んでいました。
サラッと読め、値段も安いので、『監査』に興味がある方は読んでみてください。
少しでも多くの人が『監査』に興味を持って頂けると嬉しいですね。
公認会計士のドラマに興味がある方は次の記事をご覧ください。
まとめ
最後に記事の内容を簡単にまとめておきます。
『公認会計士のデメリット4つ』は次の通りです。
- 資格取得までの道のりが長い
- 一生勉強
- お金がかかる
- 知名度が低い
いかがでしょうか。
『公認会計士のデメリット』について知ることができたのではないでしょうか。
悪い点ばかり紹介した感じになってしまいましたが、公認会計士はデメリットを上回るメリットがあると考えています。
公認会計士のメリットを知りたい方は次の記事に目を通してください。