【監査法人と英語】就職、業務、出世に『英語力』は必要か?

監査法人における英語 - アイキャッチ(74-1)公認会計士

どうも、監査法人に勤務していたgordito(ゴルディート)です。

  • 監査法人の就職に『英語力』は必要なのかな?
  • 監査法人の業務で『英語』は使うの?
  • 『英語力』は監査法人内での出世競争に影響するのかな?

このような疑問や悩みを解決できる記事になっています。

なぜなら、私が監査法人に勤務していた際に実際に体感したもの等を紹介するからです。

具体的には、就職活動時の英語力の有無、日々の業務で英語を使う頻度、出世における英語力の必要性等を紹介します。

記事を読み終えると、監査法人における『英語』の位置付けを理解することができます。

監査法人の就職に『英語力』は必要か?

監査法人就職時の英語(74-2)

公認会計士試験の合格者として監査法人に就職する際は、英語の能力を気にする必要はありません。

実際、TOEICスコアが500点以下の同期や上司はたくさんいました。

恥ずかしい話、300点台の人もちらほらいました。

ただし、就職後、英語を使う業務をしたいのであれば、就職時にある程度の英語力はあった方が良いでしょう。

英語力の高い人の方が外資系クライアントやSEC登録企業のチームにアサインされる傾向にあります(必ずしもそうではないですが・・・)。

転職で監査法人に就職する場合は、ケースバイケースだと思います。

募集している人をどのジョブにアサインしたいかで英語力の必要性は変わってくることでしょう。

ちなみに、一般に監査法人の規模が小さくなればなるほど『英語力』の必要性は乏しくなっていきます。

というのも、グローバルネットワークとの繋がりが弱くなったり、グローバル展開する企業が少なくなったりするからです。

そのため、『英語力』がより必要になるのは、次の大手監査法人になります。

  • 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)
  • EY新日本有限責任監査法人(Ernst & Young)
  • 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
  • PwCあらた有限責任監査法人(PricewaterhouseCoopers)

監査法人の業務で『英語』は使うか?

監査法人の業務での英語(74-3)

先ほどチラッと紹介しましたが、外資系クライアントやSEC登録企業のチームにアサインされると英語を使う機会が多くなります。

アニュアルレポート(英文)のチェック作業等、他にも多少の英語力が必要になるケースもあります。

外資系クライアントのチームにアサインされると、日常的に英語に触れます。

というのも、書類が英語ばかりというケースがあるからです。

同じネットワークに属している海外の会計事務所からインストラクション(『指示書』と考えてください)が送られてきて、それに基づいて手続きを行うジョブにアサインされたことがあります。

リファードとかリファードワークとか言ったりします。

用意される書類は全て英語で、担当者によっては電話もメールも英語でやりとりする必要があったりして、四苦八苦した記憶があります。

また、SEC登録企業を担当した場合にも英語に触れる機会が多少あります。

というのも、SEC登録企業はForm 20-F(英文での年次報告書)などを提出する必要があり、業務で英語が必要になるケースがあるからです。

なお、現在のSEC登録企業と監査法人は次の通りです。

SECとは米国証券取引委員会のことです。

企業監査法人
ソニー
(SNE)
PwCあらた
トヨタ自動車
(TM)
PwCあらた
ホンダ
(HMC)
あずさ
キヤノン
(CAJ)
トーマツ
三菱UFJフィナンシャル・グループ
(MUFG)
トーマツ
三井住友フィナンシャルグループ
(SMFG)
あずさ
みずほフィナンシャルグループ
(MFG)
EY新日本
オリックス
(IX)
あずさ
野村ホールディングス
(NMR)
EY新日本
メディロム
(MRM)
Baker Tilly

メディロムは2020年12月29日に米国のNasdaqに上場を果たしています。

日本では未上場という稀なケースです。今後、日本未上場でいきなり米国上場のようなケースが増える可能性がありますね。

私はSEC登録企業の監査チームにアサインされ、20-Fの作業をしたこともあります。

他にも、コテコテの日系クライアントでしたが、アニュアルレポートのチェック作業をしたこともあります。

そのため、大手監査法人に就職した場合には、それなりに『英語力』が必要となる場合があります。

一切、英語ジョブに関わらない人もいます。

大手監査法人には無数のクライアントがあるので、英語を使う業務に携わりたければ携わることは可能です。

一方、全く関わりたくないのであれば、避け続けることもある程度は可能だと思います。

監査法人の出世に『英語力』は必要か?

監査法人の出世と英語(74-4)

監査法人の出世に『英語力』は必ずしも必要ではありません。

実際、英語の能力が全くないパートナーは何人もいました。

しかし、監査法人の出世コースの1つに『海外駐在』があるのも事実です。

特に英語圏の主要拠点での駐在経験はその後のキャリアにプラスとなります。

大手監査法人の上層部はグローバルネットワークの会議に参加しています。

日本代表として意見をはっきり述べる必要がある以上、監査法人の上層部にある程度の『英語力』は求められることでしょう。

マネージャーまでの出世は『英語力』は必要ないと言っても良いと思います。

若いうちは、むしろ『会計』や『監査』の知識と経験の方が圧倒的に重要です。

ですが、海外駐在だけが出世の道ではないので、『英語力』が必要不可欠というわけではありません。

監査法人は『英語力』が伸びる環境か?

英語力を伸ばす機会(74-5)

私が勤務していた監査法人では、自主的な英語学習に対して補助金を支給していたので、同期の中には英会話スクールに通っている人もいました。

おそらく大手監査法人であれば、どこでもそのような補助があることでしょう。

だいぶ前の話ですが、10年目ぐらいまでの若手に海外短期留学をさせる大手監査法人もありました。

可能な限り全員に行かせようとしていたみたいです。

聞いた話しによると、閑散期に1ヶ月ほど海外の語学学校に通い、英語力の向上に努めるのだそうです。

先ほど紹介した通り業務で英語を使う機会もあるわけで、やる気のある人は『英語力』をどんどん伸ばせる環境が大手監査法人には整っていると思います。

まとめ

監査法人における英語 - アイキャッチ(74-6)

最後に簡単にまとめます。

まとめ
  • 監査法人就職時には『英語力』はあまり求められていない。
  • 日常業務で『英語』を使うこともあるが、その頻度はアサイン次第。
  • 大手監査法人の出世コースの1つとして海外駐在があるものの、必ずしも『英語力』は必要不可欠ではない。
  • 『英語力』を伸ばす環境は大手監査法人に整っている。

いかがでしょうか。

監査法人における『英語』の位置付けがなんとなくわかったのではないでしょうか。

就職時には過度に気にせず、就職してから徐々に能力を伸ばしていけば良いと思いますよ!